昨日、某専門学校の映像制作の試写がありました。
うちのビデオグラファーがひぃひぃ言いながら頑張って編集した映像を、満足げな表情を浮かべてチェックしていたのが、私のコピーライターの師匠。師匠はグラフィック系に強い人なので、映像の仕事はあまりやっていないのですが、大事なクライアントから依頼された映像制作の仕事のパートナーとして、私を選んでくれました。もう師匠から卒業させてもらってから10年。今でもこういうつながりがあるのは、嬉しいものです。
私は師匠から「たくさん×100」くらいの、それはもうたくさんのことを学びました。この人と出会ってなかったら、今の自分はどうなっていたんだろう? と考えると、ゾッとしてしまうくらいに…。
なので思い出はたくさんあるのですが、もちろんいい思い出ばかりではありません。
師匠にチェックしてもらう企画書や原稿は、いつも真っ赤っ赤になって戻ってくるので、それはもう提出をするのが怖くて怖くて…。書いては消し、書いては消しを繰り返し、1日(12時間机に座って)で原稿が4文字しか書けなかった日もありました。そしてさらに書くと、キツい言葉もいろいろと言われました。それはもう辛くて、悲しくて…。当時は逆ギレ的に、恨みや怒りの感情も押し寄せてきたりもしました。
でも、です。
あのとき、あのキツい言葉を言ってもらえたことを、10年経った今、とても感謝しています。確かに言われたときは辛くて悲しくて苦しくなるけど、あのとき言ってもらえなかったら、今はもっと辛く、ダメな自分のままだったと断言できるからです。
「言ってくれて、ありがとうございます」
言われたその瞬間にはまったくそんなことを思えなくても、10年後にそう思える言葉って、結構あったりします。「言葉の暴力」と言えるようなものは論外ですが、今日あなたが上司に言われたそのキツいひと言は、もしかしたら10年後に感謝できる言葉かもしれません。