以前働いていた職場に、「スーパーウーマン」と形容される営業マンがいました。売上げも圧倒的で、しかも一時的ではなく、トップの座をずっと譲らずに活躍をしていました。
トーク力、ヒアリング力、情報収集力、課題発見力、コミュニケーション力など、何か圧倒的なスキルがあったかというと、そうではありませんでした(それは本人も自覚していました)。容姿がずば抜けてよかったかというと、そうでもない。でも、とにかく売上げ成績は圧倒的でした。
どうしてだろうと、みんなで研究したことがあったのですが、最後に一致した答えは、当たり前のことを誰よりも“ほんの少し”だけ徹底的にやっている。その積み重ねだということ。
誰よりも“ほんの少し”、商品の知識を深く覚える。
誰よりも“ほんの少し”、お客さまに丁寧なお手紙を送る。
このほんの少しの積み重ねが、圧倒的な差になっていたということです。当時はあまりしっくり来ていませんでしたが、今では「正しかった」と確信をしています。一部の一流を除き、私の周囲の「選ばれている人たち」は、何かにずば抜けているわけではない。でも、ライバルたちよりも、ほんの少しだけ丁寧に仕事をしていて、努力もしているし、行動もしている。結果、スキルや経験が、一歩だけ先を行っている。
これは営業マンだけではなく、すべての職種に言えることだと思いますが、お客さまに選ばれるか、選ばれないか。生き残っていけるか、消えていくかは、何か特別な才能やスキルではないのです。自分が戦うフィールドで、誰よりも“ほんの少し”だけ先を行くこと。それが最後には、圧倒的な差になっていくのです。