昨日、生まれてはじめて、「講師」という立場でお話をさせていただきました。
プレゼンや研修以外で、30分近く話し続けるという経験を通して、今一番何を感じているかと言えば、ただひと言「自分自身の力不足」なのですが、まあ、それは次に活かすとして…。
お話をさせていただいたシブヤ大学×西武渋谷店「Think College」は、受講した方々から最後にアンケートをとります。そして今日、そのアンケートを共有していただきました。そこにはとてもありがたい(お気遣いをいただいた)言葉がいくつもあったのですが、そのアンケートを読みながら、強く思ったことがあります。
みんな、次の一歩につながるヒントや、自分が進むべき道の光を探しに、こういった講義を受けに来るわけです。仕事終わりの、疲れている中で…。
その中で何を聞きたいかというと、決して「世の中的な正解」や「模範解答」、「美しい答え」ではなく、もがきながら、苦しみながら、試行錯誤しながら出した“生々しい答えや考え方”だということです。それこそが、次につながるヒントになるからです。
昨日のテーマは「日本の手仕事を、どう残していくか?」。何を話すかをギリギリまで迷った結果、ニッポン手仕事図鑑というメディアを立ち上げ、2年間試行錯誤してきた今、自分の中にある「ひとつの答え」を語らせてもらいました。
「映像の限界」
「職人さんの触れられたくない部分にフォーカスすること」
謙遜でも何でもなく、講義はうまくできなかったのですが、アンケートやその後にいただいたメールを読んで、自分の経験を通して出した結論を、ストレートにお話したことは大正解だったと思っています。
「講師」「経営者」「上司」…何かを伝える立場になると、どうしても「さすが!」と言われたくて、美しい結論を出そうとしてしまいがちですが、伝えるべきことは、美しくなくていいんだな、と。泥臭くていいんだな、と。自分の経験を通して、心から思ったことを、ストレートに伝えることが本当に大事なんだと思いました。
みんなが聞きたい、あなたの話は何か? それは、世の中の模範解答ではなく、あなたが試行錯誤しながら出した、泥臭い結論を聞きたいのです。