個人的にfacebookが好きではないので、個人アカウントではやっていません。
でも、facebookは現時点では欠かすことのできないビジネスツールであるのは間違いないので、ニッポン手仕事図鑑では使っています。facebookで投稿をシェアしてもらうことで、新しいつながりが次々に生まれますし、嬉しいコメントもいただけたりします。facebookは効果的に活用すれば、絶大な効果を上げてくれるツールであるのは言うまでもありません。
しかし、facebookだけでビジネスが成立するかと言えば、それは違います。
ニッポン手仕事図鑑は今、たくさんの人に応援してもらえるようになりました。読者や職人さんだけでなく、自治体や大手企業の関係者にも。
もちろん、まだまだ知名度が低いメディアではあるのですが、それでも「短期間で知名度を上げる方法があるんですか?」「何かいいSNSの活用術があったりするんですか?」と聞かれることがあります。
そのときは必ず、こう答えています。
「SNSやネットに頼らないことです」と。
人は相手の想いを知るから、共感もしてくれますし、応援したくなるものです。
そのための一番の近道は、自分が直接顔を見せて、自分の言葉で想いを伝えていくこと。ニッポン手仕事図鑑のリリース直後、「facebookなどで一気に拡散を!」というアドバイスをたくさんいただきましたし、「資料をつくってプレスリリースを出したほうがいい」というアドバイスもいただきました。
でも、やりませんでした。今は心から、それをやらなくてよかったと思います。
なぜなら、自分たちの想いが薄まったり、ねじ曲がったりして、ちゃんと伝わらないからです。
先週はじめてお会いした職人さんに、こんなことを言われました。
「そういう想いでやられているんですね。直接話を聞けてよかったです」
ニッポン手仕事図鑑もfacebookも、よく見てくれている職人さんの言葉です。
ニッポン手仕事図鑑のリリース直後の話に戻りますが、映像に出演していただく職人さんにも、ギフトショーなどの展示会へ行き、ひとりひとりと直接話をしました。事前に一切資料などは送らず、直接工房に伺い、話を聞いてもらいました。その想いを聞いてもらったからこそ、まだ誰が、どんな想いでやっているかもわからない正体不明の動画メディアの撮影に協力してくれたのだと思います。
他の人から見ると効率が悪く、遠回りに感じるかもしれません。でもやっぱり、今自信を持って言えるのは、一番近道だったな、ということです。
みんな、SNSに頼りすぎです。
自分たちの想いに共感してくれるファンを増やし、認知度を上げていきたいなら、直接会って話をすることです。楽をしない。そう、こんな時代だからこそ、SNSだけではビジネスは成立しないのです。