『小さな会社の「共感メディア」のつくり方』
そんなテーマの本を、いつかは書けるようになりたいと思っています。なぜなら中小企業にとって、そのメディアを持つことの絶大な効果を、強く実感しているからです。これを伝えていきたいな、と。
私が「共感メディア」と呼んでいるのは、世間で「オウンドメディア」と呼ばれるものと同じです。企業やブランドが自ら所有するメディアで、関わる人との信頼関係をより深くしてくれたり、新しい出会いやビジネスチャンスを創出する役割を果たしてくれます。でも具体的に、どんなメリットがあるのか? それを経験談を踏まえて、少し書いてみたいと思います。
『ニッポン手仕事図鑑』をリリースした私が所属する会社は、10名足らずの小さな制作会社です。その会社が『ニッポン手仕事図鑑』をリリースして、半年が経過しました。
その半年の間で何が変わったかというと、ただの制作会社のままでは、お願いしても会えなかった企業や人と会えるようになりました。その中にはどうしてもお会いをしたかった某大手旅行会社や大手メディアも…。そのうちのいくつかの企業とは、新しいプロジェクトの立ち上げを行っています。今年の5月に東急百貨店でイベントが開催できたのも、『ニッポン手仕事図鑑』があったからです。
改めて強調するのもどうかと思いますが、渋谷区にある小さな制作会社では、会いたくても会えなかった企業です。
そしてもうひとつ。
全国の企業や人と、つながることができるようになりました。今まで自分たちの存在を知っている企業は、ごく近いエリアの企業だけでした。それが今では、全国的に知ってもらえる機会が増えました。言い換えると、活動(営業)範囲が全国に広がったわけです。当然、新しい出会い、ビジネスチャンスも生まれます。
実は私が「共感メディア=オウンドメディア」の絶大な効果を実感したのは、前職の企業にいたときからです。ごく一般的な小売業を営む企業を出版社にして、全国誌を販売したのですが、その効果は絶大でした。新しい出会いや、全国的な認知度の向上だけでなく、メディアに共感してもらうことで、企業としても今まで以上に信頼してもらえるようになりました。
オウンドメディアというと、少し小難しそうに聞こえますが、シンプルに言うと、周囲の人に共感をしてもらえるメディアです。言うは易しですが…。それはWEBサイトでもブログでもフリーペーパーでも雑誌でも何でも、始められるものからでいいと思います。もっと成長していきたいと考えている企業や個人の皆さんには、ぜひ小さなところからでも、「共感メディア」を立ち上げてみることをオススメします。