自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

リーダーシップ論って、何だろう?

ある広告代理店さんとの打ち合わせ後の雑談。
仕事をくれた営業の方から、リーダーシップ論について質問をされました。以前勤務していた中小企業で、リーダーのポジションで仕事をしていたからです。

 

ただ正直、リーダーって何だろう? と、日々自問自答しています。

 

前職の企業に務めていたときは、「これは、部下たちの未来につながることか?」をずっと考えていたような気がします。ここで甘やかすことは本当の優しさか? 厳しくても、本人が辛かったとしても、未来につながればいい! そんな感じで。

 

本当は守ってあげたり、優しくするほうが嫌われることもなく、精神的にも楽です。ただ、その部下がいつか会社を辞めて別の会社に転職したとき、仕事ができずに「こいつ、使えないな…」と評価されたら、「あのとき、もっとしっかり仕事に取り組んでおけばよかった…」と後悔することになります。その後悔だけはさせたくありませんでした。

 

と、そんなことを僭越ながらお話をしたら、「では、制作チームのディレクターとして、あるいは『ニッポン手仕事図鑑』の編集長として、今心がけていることは?」と聞かれました。質問がよかったのか、ほぼ無意識にスラスラと答えが浮かんできました。

 

仲間を信じる。
客観的な視点を持つ。
決断をスピーディにする。
どんなことがあっても動じない。
夢と想いを語る。

 

いい映像を制作するにしても、『ニッポン手仕事図鑑』を成長させていくにしても、ひとりでは何もできません。つまり、誰かに何かをお願いしなければなりません。お願いする相手には自分の考えをしっかりと伝えますが、伝えたあとはその人を信じて、ただひたすら待ちます。

 

そして、仕上がってきた仕事に対しては、客観的な視点で、相手が納得するようにアドバイスすることを心がけています。任せた相手はものすごく一生懸命で、時に自分の世界に入り込んでしまいます。そう、自分の仕事が客観視できなくなるのです。だから、信じると同時に、客観的な(冷静な)視点で指摘をしてあげられることは、とても重要なことだと思っています。

 

次に自分の口から出てきたのは、決断のスピードと、トラブル時の振る舞い。
突然チャンスが巡ってきたり、トラブルが発生したときなどは、とにかくスピーディに決断をしていく。経験上、決断を遅らせてよかったことは1度もありません。いいときも悪いときも、スピードは大切です。
また、ミスやトラブルに限って言えば、スピードだけでなく、責任者が動じないことはとても大切です。自分が動揺すると、周囲もどんどん不安になり、自分自身も冷静に判断ができなくなるからです。

 

そして最後は、夢や想いを語ること。
「これを成し遂げよう!」「この人たちを幸せにしよう!」と語り続けることで、関わるスタッフのモチベーションも上がり、何をするべきかも明確になるので、自然と自主性や積極性も高まってきます。また、外部にも同じように夢や想いを語ることで、本気度や情熱、覚悟が伝わり、「こんな仕事、一緒にやってみない?」「こういう人がいるけど、会ってみる?」というお誘いがどんどん増えてくる。

 

実はつい先ほど、お問い合わせフォームより映像クリエイターの方から連絡が入りました。「『ニッポン手仕事図鑑』に参加したい」と。夢や想いを伝えることで、応援してくれる人だけでなく、仲間も増えていきます。(もしかすると、昨日の記事「お問い合わせフォームから、ビジネスははじまる」を読んでくれたのでしょうか)

 

つまり、仲間を信じつつ、客観的な視点でアドバイスができ、スピーディに決断をして、たとえトラブルがあっても動じない。そして、内部、外部を問わず、夢と想いを誰よりも積極的に語っていく。これが今のところ、自分なりのリーダーシップ論なのかもしれません。

 

リーダーシップ論と言えるかはさておき、映像チームのディレクターとして、『ニッポン手仕事図鑑』の編集長として、今自分が大切にしていることが、ひとつの質問のおかげで整理できました。やっぱり、質問の力は絶大です。