自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

名刺交換のマナーも必要だけど…

名刺交換のとき、相手のマナーの悪さに、不快な思いをしたことはあるでしょうか?
もちろん、「イエス」と答えた人もいるかと思いますが、正直それほど多くはないはずです。最低限の礼儀さえ身につけておけば、少しぐらい作法を間違っていたとしても、名刺交換のマナーがなっていない! と相手を不快にさせることはありません。

 

何が言いたいかというと、名刺交換のマナーにこだわるのは大切なことですが、名刺交換はそもそもコミュニケーションなので、失礼がないようにするだけでなく、よい印象を残すことも、それと同じくらいに大切なことだということです。そう、マナーばかりにこだわり、名刺そのものにこだわる経営者が少ない…。


だからこそ、もっと名刺にもこだわっていいのではないかと、個人的には思います。名刺なんて不要だ! フェイスブックで十分だ! という人もいますが、あえて強い言い方をさせていただくと、それはコミュニケーションのセンスや、企画力がなさすぎる…。

 

小山薫堂さんは日光金谷ホテルのアドバイザーに就任した際、名刺をリニューアルして、従業員の士気を高め、同時に顧客満足度も上げました。小さな会社のブランド戦略を考える村尾隆介さんも「名刺に100円かける覚悟がなければ、小さな会社がブランドになるのは難しい」とおっしゃっていますし、あの有名なアートディレクター佐藤可士和さんも、「名刺のアートディレクションは非常に難しくて、時間がかかる」とおっしゃっています。

 

そう、名刺という存在はとても大きく、それゆえに、人の心に残るものは簡単にはできないのです。

 

以前、このブログでも書かせていただきましたが、ニッポン手仕事図鑑は活版印刷でつくりました(築地活字さん、いつもありがとうございます!)。自分自身でデザインをしたのですが、本当に細部にこだわりました。でもその甲斐あって、初対面の人でも一気に距離を縮めることができ、新しいプロジェクトがとんとん拍子で進んだこともあれば、名刺が人づてに広まって、新しい出会いが生まれたりもしました。名刺の力は絶大です。もっと言うと、私は父からもらった甲州印傳の名刺入れを使っているのですが、名刺入れだって、素晴らしいコミュニケーションツールになります。

 

自分が所属している企業の名刺を変えることができなければ、自分自身の“2枚目”の名刺をつくってもいい。そんな人は、世の中にはたくさんいます。

 

名刺が持つ可能性をどこまで信じられるか、その力をどこまで活かせるかで、自分の仕事は大きく変わっていきます。最後に念押ししておくと、名刺交換のマナーも大切です。