つい先日も引用をさせていただいた、松浦弥太郎さんの著書『正直』。今日もそこから一部を…。このままだと丸ごと引用してしまいそうなので、これで最後にしておきます(たぶん…)。
とにかく学びが多い本なのですが、あるページで久々に、もうまさに「ガツンと頭を殴られたような感覚」を覚えました。
それが、この一文。
「もうみんな、頭ばかりを使うのをやめようよ」
僕はしつこいほどに、こう言いたい。
「今日から頭を使うのをやめよう」と、キャッチフレーズをつくりたいほどだ。
無防備になり、ばかになり、頭を使うのをやめれば、自然と心を使うようになる。
心を使わなければ、人は動いてくれない。
「先生のお料理はこう評価されていて、出汁の昆布と鰹節へのこだわりが、こんなふうにすばらしくて、とくにおつゆに定評があるから、コツを教えていただきたい」
「先生に、一度でいいからお会いしたかった」
心から伝わるのはどちらだろう?
利口に見せることなんて誰でもできる。だが、それがなんになる? 構えて、準備して、正解を探す身構えは、人との間に距離をつくってしまうだろう。
仕事をしていく上で、頭を使うことは絶対に必要です。でも、頭を使うことばかりになってしまい、心を使うことを忘れるくらいなら、確かに頭を使うことをやめてしまったほうがいい。
この1年、本当に会いたいと思っていた人に、回りくどい表現で何かを伝えていたかといえば、やっぱりそんなことはありません。ただただ「会いたかった」と伝えて、新しい人間関係を築いてきました。ビジネスを意識しすぎて、“構えて、準備して、正解を探す身構え”で臨んだ出会いはやっぱり、距離をつくってしまいます。振り返ってみると、素晴らしい出会いがあった反面、それで失敗したケースもありました…。
すごくありがたいことに、今自分の周囲には、チャンスをくれる人、支えてくれる人、笑顔でタッグを組んでくれる人がいます。なぜ、そういう人と出会えて、人と人との関係を続けられるのか?
「もう1度会いたかった」
「ただただ一緒に仕事がしたかった」
「あなたに喜んでもらいたかった」
そう、心をちゃんと使っていたからです。ここ最近、頭ばかりになっていた自分に反省です…。