ケチと節約の違いについて、じっくり考えてみたことがあるでしょうか。
と、書いておきながら何ですが、その違いを明確にすることはできません。定義付けできそうで、なかなか難しい…。お金の問題は個人のデリケートな問題でもあるので、断定的に語るのはとても難しいことです…。
それを踏まえた上で、例えばの話です。
誰かとの待ち合わせ、打ち合わせに向かう移動などで、30分の空き時間ができたとします。
喫茶店に入って仕事や勉強をすれば、300円くらいのコーヒー代はかかってしまいますが、時間を有効活用できます。それに対して、ブラブラして時間をつぶせば、お金は1円もかかりません。この300円を使わないことは「節約」なのか、「ケチ」なのか。個人的には「ケチ」だと考えています。
時間の使い方だけでなく、他にも自分が持つ仕事道具に対してだったり、人と会う時間だったり、自分への投資だったり…で、お金を使うことを制限してしまうことも、「ケチ」だと思っています。現実的に使えるお金があるとかないとか、そういう話はさておき…。「節約」と「ケチ」の判断を間違えると、本来だったら得られた何かを得られないだけでなく、何かを失うこともあったります。これを真剣に考えることは、本当に重要なことだと考えています。
これは企業でも同じことが言えると思っています。
「経費を抑える」はとても大切なことで、それ自体は当然否定しませんが、「節約」と「ケチ」の違いを考えないことが多いように感じたりしています。電気を無駄にしない、紙を無駄にしないというのは、当然「節約」です。エコでもあります。
それに対して、「経費節減!」の号令のもとに、やっておかなければならない販促や見込み客の開拓、顧客満足度の向上、従業員のモチベーションに関わることまでもケチった結果、客は離れ、従業員のモチベーションは落ち…という悪循環に陥っていったりします。それでダメになってしまう企業も少ないように感じます…。
「節約」と「ケチ」を見極めることは大切なことです。経営者や管理職が「とにかく経費を抑えろ!」と言えば、「節約」か「ケチ」かの判断を冷静にせず、とにかくお金を使うことをストップして、悪循環に陥ることがあります。私も経営者、管理職の立場にもいるので、「そうは言ってもさ…」という気持ちもよくわかるので、とにかく1回、「節約」と「ケチ」について組織、チームで話し合ってみてもいいかなと思います。
個人の場合も、「節約」か「ケチ」かを考える癖をつける。お金を使わない、ということへのリスクを考える。お財布と相談しながら…。