入ってくる情報を「自分は関係ない」と遮断するのではなく、ありのまま受け入れてみることは大切です。
例えば、美容院、銀行、病院、スパなどに行ったときの待ち時間、退屈しのぎに置いてある雑誌に目を向けると、女性向けの雑誌しか置いてないときがあります。そのときにスマートフォンをいじったり、持っていた本を読んだりするのではなく、その女性誌に手を伸ばしてみる。そして、女性になったつもりで読んでみる。
例えば、奥さんや彼女の付き合いなどで化粧品やアパレルのお店に行ったとき、恥ずかしいからと店の外で待っているのではなく、女性になりきって商品を選んだり、店内を眺めたりしてみる。きっと、気づくことがたくさんあります。
男性と女性が逆のケースもよくあると思いますが、これは異性を理解するためではなく、違う視点で(違う角度から)物を見る癖をつけるためのトレーニングです。雑誌でいうと、「お酒」「睡眠」「手帳術」などの同じ特集でも、男性誌と女性誌では企画の切り口がまったく違います。お店のつくりも男性向けと女性向けとでは、照明や棚の配置、キャンペーンの内容などが異なります。
今、目の前にある事実を「自分だけ」の視点で捉えるではなく、他人の視点でも捉えてみる。それができるようになると、自分が使いやすい、わかりやすいと思っていても、まったく正反対に思っている人がいることに気づきます。自分が面白くないと思う企画でも、面白いと絶賛している人がいることにも…。
別の視点から物事を見る癖を付けることで、客観的に判断や決定ができるようになります。自分の意見や考えを強引に押し通すこともしなくなります。もちろん、仕事の精度が高まるだけでなく、スピードも早くなります。言葉の理解力も高まり、コミュニケーションスキルもアップします。
「消費者の目線で…」「クライアントの立場になって…」と言われても、別の人の視点で物事を見るのは難しい。そのトレーニングとして、自分が慣れていない(自分の先入観が入りづらい)環境や情報と向き合ってみて、別の誰かになりきって眺めてみる。
初歩的なトレーニングですが、効果的です。自分とは関係ないと思う情報に接することは、一見無駄なようでも、実はものすごく重要な時間だったりします。
時には女性(男性)になりきってみましょう。
余談ですが、子どもと室内のプレイパークに行ったとき、スマートフォンをいじっている保護者が多いのですが、それももったいない。子どもの視点で遊んでみて、便利さや不便さを感じてみることも、立派なトレーニングになります。