「覚えてもらう」ことは、ビジネスではとても大切です。
名刺の重要性を今さら語るつもりもありませんが、名刺は自分を覚えてもらうためのツールの代表格。あの小山薫堂さんも、小さな会社のブランド戦略の第一人者である村尾隆介さんも名刺の大切さについて、よくお話をされています。会社の名刺とは別に、個人の名刺を持つ人が増えたのも、「初めて会う瞬間」のコミュニケーションを大切にする人が増えたからではないでしょうか。私も今、新しい名刺を検討しているところですが、何かひと工夫したいな、と。先日ご紹介した活版印刷も候補のひとつです。
でも、名刺も万能ではありません。名刺のほかに、何があるのか?
観察してみると、私の周囲でも印象に残るアイテムを「戦略的に」持っている人がいました。オリジナルのノート、革のクリアケース、手作りの手帳やカフスボタン、デザインが面白い付箋…。思わず、「ちょっと見せて」「それ、何?」と言いたくなるような。相手にそう言わせたら、もう勝ちです。
私は万年筆を日々使っているので、その話になることも多いのですが、オリジナルで作った革の財布だったり、ココナラがプレゼントしてくれた名刺のほうが印象に残るようです。ただ、それよりも効果的なツールがあったりします。それが「モレスキン(MOLESKINE) ブックライト」。
手帳に挟んでいたり、充電がてらMac book airのUSBポートに差し込んでいたりすると、高確率で「何?」と聞かれました。「これは使える!」と、ブックライトから好きな本の話に広げて、自分の仕事への想いや考え、好みを知ってもらい…。そう、スマートなやり方ではないです。
ただ、戦略的に、効果的に「モノ」を使うのは、重要な戦略だと実感しています。
だって、初めて会った人が普通のノートを使っていて、普通のボールペンでメモを取って、鞄も靴も時計もメガネも何もかもが普通だったりしたら、私は一緒に仕事がやりたいとは思いません。もちろん、知識や経験が豊富だったり、話が面白ければ、モノなんて関係ないのですが…。
「おっ!」と思わせる何かを持つ。
個人をブランディングしていくために、もう少し深く考えてみようかな、と。