今日は中小企業の経営者でもあり、
腕利きのデザイナーでもある方と一緒に、
ある撮影のロケハンに行ってきました。
そのときの雑談話を。
「新規顧客」を開拓する難しさについて、
移動中に近況報告を踏まえた雑談をしていたのですが、
「このふたつは有効だよね」と意見が一致したことがありました。
ひとつは「手間のかかる、ちょっと面倒なことをやる」。
その方の会社の例をお話すると、
新規案件の獲得のために社員全員で独自の企画を立案し、
飛び込みで「いい提案があります!」と営業を行い、
いくつもの新規案件を獲得しています。
*本当にいい提案です。
しかも、稟議が通るまでに時間のかかる大手を相手にしていて、
「間に入っている広告代理店を通して」と言われても、
広告代理店までを納得させて、仕事にしているのです。
そこで大切なのは、企画の精度と誠意はもちろんですが、
「手間のかかる、ちょっと面倒なことまでやってあげる」こと。
それは相手がやらなきゃいけない大事なことだと思っているけど、
「でも、面倒だな…」と思っていることです。ここを読む力は重要です。
そしてもうひとつは、「クライアントが覆せないデータを用意する」。
例えば、ある商業施設のフリーペーパーや会報誌を作成するとします。
運営元であるクライアントはあーでもないこーでもないと、
表紙のデザインや企画内容を否定しようとしますが、
ここで「実際の顧客はこれがいいと言っています」というデータを出します。
そうすると「うちの顧客はこれがいいのか…」となるわけです。
実際の顧客の生の声は、否定することはなかなかできません…。
一生懸命考えた上質な企画に、そのふたつの隠し味(隠し球?)を用意して、
狙いを定めたターゲットに営業を行っていくのです。
そして、しっかりと新たな顧客を獲得していく。
データを用意するのは、手間です。
手間のかかることを代わりにやってあげるのも、当然手間です。
でも今は、手間のかかることをやるのが付加価値であり、
存在感を出していく方法のひとつなのかもしれません。
「手間のかかることをやらない人が多いからね」
そんな話をされていましたが、
業界を問わず、ここに勝算があるのかもしれません。
最後に念押しですが、
提案する企画がよくなければならないのは、大前提です。
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