クリエイティブディレクターの箭内道彦さんがNHKの番組に出演されていたとき、こんなことをおっしゃっていました。
「企業言語を、見ている人言語に変換する」
なるほどなぁと、感心させられました。
企業が消費者に向けてメッセージするとき、あるいは従業員に向けてメッセージするとき、どうしても「伝えたい」「届けたい」という想いが強すぎて、自分たちの言葉=企業言語になりがちです。
言うまでもなく、それでは伝わらない。
大切なのは、それを受け止める人の言語に、どう変換するか。
相手の言葉に置き換えて届けないと、メッセージに共感してもらうことにつながりません。その変換能力を鍛えるのは、常に「企業言語」と「見ている人言語」を行き来しながら、変換するトレーニングをしていくしかないのです。
企業理念を考えるお仕事をさせていただくことが多いのですが、経営者も「経営者言語」から、「消費者言語」あるいは「従業員言語」への変換能力が問われていると実感します。そう、企業理念も相手に共感してもらえて、はじめて意味を成すものだからです。
ただ、それもなかなか難しい…。
だからこそ、リーダーシップコミュニケーションが注目をされているのだと思います。
経営者も会社員もクリエイターも、常に相手の言葉に変換する能力が求められる時代です。それはビジネスシーンにおいてだけではなく、夫婦だって、友達同士だって、上司と部下も同じです。
つまり、相手の言葉に変換するのは、相手を思いやるということです。言うは易し行うは難しですが、変換することを意識している人とそうでない人とでは、コミュニケーションに大きな差が出るのは間違いありません。
その伝えたい言葉、相手の言語に変換してみると、どうなりますか?