オウンドメディアを成功させる秘訣と聞かれたら、
2つの視点を持つことだと答えています。
2つの視点とは、
「メディアの作り手」としての視点と、
「メッセージの方向性を決める(お金を出す)クライアント」としての視点。
自社でオウンドメディアを作るとき、
何を発信したいのか、どのような目的を果たしたいのか、
という方向性を示すクライアントの(担当者の)中に、
実際に手を動かして作り手になっている人はまだまだ少ない。
そういう方はクリエイターに対して「う〜ん、ちょっと違うんだよな」と、
「ズレ」を感じることも決して少なくないと思います。
反対にオウンドメディアの制作を任される立場の人も、
企業のことを取材し、さまざまな資料を読み込み、
企業の人間になったかのようにいろいろと想像しますが、
おそらく超一流のクリエイターを除いては、
そこには「ズレ」が生じてしまいます。
少々強引な結論ですが、
その立場になってみないと、本当のことは「リアル」にはわからないのです。
百聞は一見にしかず、ということです。当たり前と言えば、当たり前です。
私自身、広告制作会社から小売業の企画・宣伝部門に転職した際、
私の力不足であるのはいうまでもありませんが、
いかに現場がわかっていないコピーライターだったかを実感しました。
そしてその後、さまざまなクリエイターの方々と仕事をして、
実際にレベルの高い仕事をやっていただきましたが、
でもそこには「ズレ」がどうしても生じてしまうということも実感しました…。
つまり、クリエイターとクライアントには、
「わかりあえない部分」が必ず存在します。
私はそれを埋めるために、
クリエイター→クライアント→クリエイターと転職しましたが、
その2つの視点を持っていることは大きな強みになっていると自負しています。
この視点を持っているだけで、正直仕事はなくならないとさえ思っています。
でも、転職はリスクが生じるもの。
なかなか繰り返せるものではありません。
「じゃ、どうすれば…」という方にひとつご提案です。
自分のオウンドメディアを作ってみてはいかがでしょうか?
私もオウンドメディアと言えるかどうかは微妙ですが、
「一番星文庫(http://ichibanboshi-b.jp/)」というサイトを立ち上げ、
お金を出してイラストを書いてもらい、WEBデザインをしてもらいました。
私のコピーライターの師匠も自分でフリーペーパーを発行していますが、
「クライアントの立場」になってみるとたくさんの発見があります。
反対にクライアントの立場の人は、
「ココナラ」のようなサイトでデザインや文章の仕事を、
実際に受けてみてもいいと思います。
*「それは頼んでくれた人に失礼では…」と思っている方、
相手に納得をしてもらってからお金を受け取ることだってできます。
また、個人や小さな組織で活動されているメディアに、
何らかの形で参加させてもらってもいいと思います。
プロとしての経験がなくても、写真やイラスト、デザイン、文章など、
お金をもらって仕事を受けることは可能です。
少額でもいいので、お金をもらうことが大切です。
プロがどのようなプレッシャーの中で、
クリエイティブな仕事をしているのかをわかるだけでも、
仕事の精度はかなり大きくなります。
自分にはない視点を持つ。そういった経験を重ねることで、
少しずつ「ズレ」が解消されていくと思っています。
「もうひとつの視点を、『リアル』に体感してみませんか?」