先日、バラエティ番組の「クレイジージャーニー」にも出演された、製硯師(硯職人)の青栁貴史さん。
自慢話のようで恐縮ですが、すべてのメディアへの露出を拒絶していた彼を説得して、「ニッポン手仕事図鑑」へ出演してもらい、その後の大躍進(情熱大陸に出演したり…)のきっかけをつくったことに感謝してくれていることもあり、世間から注目される人になっても、青栁さんはこれまでと変わらず、僕と仲良くしてくれています。
そんな青栁さんがある日の打ち合わせのあと、突然“アニキ”と慕う鍼灸師のところに僕を連れていってくれて、「疲れが溜まっているだろうから…」と、サプライズで鍼の治療をプレゼントしてくれました(“アニキ”は僕の体の悪いところ、体の悩みを一発で完全に見抜いたので、今後もお世話になろうと思っています)。
で、先週久々に会ったときに改めてそのお礼をしたら、青栁さんが「そういえば、アニキが面白いことを言ってましたよ」と、こんな話をしてくれました。
「僕と大牧さんって、体のタイプが180度違うみたいなんです。僕は熱を体に溜めるタイプで、大牧さんは熱を体から放出するタイプ。だから、鍼を打つ場所も全然違うそうなんですよ」
話を聞いてみると、同じ首の疲れ、疲労の症状を癒やす治療をするときも、青栁さんと僕とでは、鍼を打つ位置が全然違うそうで。やはり鍼は歴史があるだけあって、奥深い世界なんだな、と。
さて、今日の本題。ここまでは、前置きでした。
僕は“体の熱”の話を聞いたとき、性格も同じだな、と、そんなことを思いました。
クレイジージャーニーや情熱大陸をご覧になった方もいると思いますが、青栁さんは自分自身の中にある「熱」を口に出して語りますが、放出するタイプではありません。熱を静かに溜め込んで、石と向き合う。だからこそ、スマートに見えるのだと思いますが、僕はどちらかというと、泥臭いタイプで、かつ不器用なので、意識するしないは関係なく、自分の中にある熱を意識的、無意識に問わず、放出をしてしまう。まさに、体質と同様に、性質も熱を溜めるタイプと熱を放出するタイプに、青栁さんと僕は分かれるんだな、と。
そんなことを考えていたとき、僕はある人の顔が浮かびました。
その人は会社から「もっと情熱を全面に出せ!」と言われていて、でも上手に出せずに少し悩んでいました。情熱がないわけではない。いや、どちらかというと、周囲と比べると情熱があるほうだと自負もしているのに、そうは見えない…と。そう、その人は“情熱を内に溜める”タイプなのです。
僕は情熱を内に溜めるも、放出できるも、体質と同じで、改善することは難しいと思うのです。無駄にあらがってはいけない。自分の性格、性質に合わせて、情熱の伝え方を考えればいいのです。
青栁さんは内に溜めるタイプなので、彼はひとりひとりと向き合い、丁寧に会話をすることで、自分の情熱を届けていく。今はメディアも、それを手伝ってくれる。情熱を全面に出しているようには見えないけど、青栁さんの情熱は確実に伝わっている。
「情熱があるように見えない」
「やる気があるように見えない」
そんな評価をされて、苦悩を抱えている人も少なくないと思いますが、情熱の“出し方”を変える必要はありません。出ないものは、出ない。それは体質=性質、性格だから。大切なのは、「伝え方」「届け方」を考えてみること。自分に合った“熱”との付き合い方を、今一度考えてみましょう。
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