数年前にお亡くなりになってしまいましたが、りそなホールディングスの会長だった細谷英二さんが生前、こんな言葉を残していたという話を聞いたことがあります。
「三流のリーダーは『カネ』を残す。二流のリーダーは『事業』を残す。一流のリーダーは『人』を残す」
リーダーと呼ばれるポジションについてから、もう10年以上になりますが、リーダーの難易度はまさにこの順番であると、日々痛感をさせられます。世の中のリーダーと呼ばれる人たちの多くも、そのように感じられているのではないでしょうか。
僕自身の話をすると、現在所属している会社で映像事業を立ち上げて、世の中的にまあまあ誇れる仕事を任され、収益を上げても、残念ながら僕が尊敬する人たちは、ほとんど反応をしませんでした。「ふーん」というくらいのレベル。
でも、ニッポン手仕事図鑑を立ち上げて3年半が経った今、ようやく会社のひとつの事業として成立をしはじめたので、僕が尊敬する人たちも、少しずつ反応してくれるようになりました。そう、二流になったことを認めてくれたのだと思います。
そんな中で面白いのは、大学2年生の頃からニッポン手仕事図鑑のインターン生として参加をしてくれている大学生編集長の成長っぷりを見て、その成長するための舞台を整えて、チャンスを与えたことについては、かなり反応をしてくれるのです。人を残したとまでは正直言えませんが、人を残そうとした意思と、そのためにどのくらい考えたか? どんな行動をしたか? ということを、評価してくれたわけです。「ようやく、そこに目を向けた?」という感じでしょうか。
一流のリーダーは、「人」を残す。
新しくはじめた期間限定のオンラインサロン「オトナの夏期講習」もそうですし、これから力を入れていきたい「ふたりごと文庫 編集室」もそう。地方(=青森)での人材育成にも関わらせていただけるようになったので、これからはとにかく教育=人を残すことに力を入れていきたいと、個人的には考えています。
今、日々一緒に働くメンバーの中にも、経営者を目指す後輩、情報発信力をつけたいビデオグラファー、ローカルメディアの編集者として第一歩を踏み出したWebクリエイターがいるので、僕が与えてあげられるものをすべて総動員して、彼らの殻を破り、飛躍させてあげる手助けをしたいと思います。まだまだ先の話になると思いますが、いつか尊敬する人たちから「一流のリーダーになれたな!」と言ってもらいながら、1杯おごってもらえる日が来たら嬉しいな、と。