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「伝統工芸は〜」という主語で語る違和感

最近、「伝統工芸は~」という主語で、伝統工芸が置かれている状況の“厳しさ”について語っている人をよく見かけますが、個人的にはとても違和感があります。
元NHKアナウンサーの堀潤さんは、著書「堀潤の伝える人になろう講座」の中で『「大きな主語」より「小さな主語」で語ろう』と書かれていますが、これはまさにそのとおりで、「伝統工芸は〜」という主語で語れることは、ほとんどない。

 

たとえば、同じ漆器職人さんでも、地域が違えば、現実はまったく違うし、もっと言うと、同じ地域で頑張っている漆器職人さんでも、AさんとBさんでは、置かれている状況はまったく異なります。
それを「漆器職人さんは~」という主語で語ってしまうと、事実の捉え方に偏りは出るし、情報の伝わり方も間違える。解決すべき課題があったとしても、適切な策を出せなくなってしまう。

 

そう、やっぱり『「大きな主語」より「小さな主語」』なのです。

 

ニッポン手仕事図鑑を立ち上げて、3年。
「伝統工芸は~」という主語で語れることがほとんどないと実感している中で、その大きな主語で語られることへの違和感が少しずつ大きくなってきていたので、ちょっと書いてみました。

 

さて。
いよいよ明日、ニッポン手仕事図鑑のオンラインショップ『ひとことめぐり商店』のリニューアル記念イベント。
ふたりの職人さんをお招きしてワークショップを行いますが、おふたりと会っていただくと、「伝統工芸は~」「職人は~」という主語で語れることが少ないことをわかってもらえると思います。そんな大切なことを伝えていくことも、僕らニッポン手仕事図鑑のミッションかな、と。


堀潤の伝える人になろう講座