「普通はね、こんなお願いはしないですよ(笑)」
前職で広報・宣伝部門の責任者を任されていたときに、とある広告代理店の部長さんに言われた言葉です。もう7、8年前のことでしょうか。
僕はとある同業(=ライバル)会社の、広報と宣伝に注目していて、あの戦略は、どのような考え方で導き出されたのか? という興味はもちろん、外から見ているとコアなファンが多くいるようにみえていたのですが、現実にはどうなのか? 広報活動の成果は売上げにつながっているのか? その先にはどんな展開を考えているのか? さらには、どのようなところに苦戦をしているのか? とにかく知りたいことが山ほどありました。
そんなとき、皆さんはどんな行動をするでしょうか?
僕は、実際に会って、話を聞くことを選びました。
そのライバル会社は冒頭の広告代理店のクライアントでもあったので、その部長さんに「僕の身分と、目的をすべて話をしていいので、会って話を聞かせてほしいと言っていると、ダメ元で聞いてもらっていいでしょうか?」とお願いをしたのです。その結果、恵比寿の某居酒屋で会食をすることになったのですが、そのお店に向かう道中で、冒頭の言葉を言われたのです。
相手もまさかこんなお願いをされるとは思わなかったようで、とても驚いていましたが、僕は頭を下げて、いろいろな話を聞かせてもらいました。もちろん、お互いの立場もあり、機密もあるので、すべてをさらけ出せたわけではありませんが、その時間はとても有意義で楽しく、学びの多い時間になりました。手前味噌ではありますが、相手にも少しは学びがあったんじゃないかな、と思っています。
上司や先輩、憧れの人、異業種の人…学びを与えてくれる人はたくさんいますが、自分と同業の、ライバル会社の同じ立場の人とディスカッションすると、それらの人からは得られない学びや気づきを得ることができます。簡単には会ってくれないかもしれませんが、ダメ元であたってみることをオススメします。
余談ですが、昨日、こんな懇親会をしました。
今日は、編集長座談会の日。
— 大牧圭吾|ニッポン手仕事図鑑 (@by_waterman) 2018年6月15日
セコリ百景 編集長
想いのしおり 編集長
ふたりごと文庫 編集長
ニッポン手仕事図鑑 編集長
面白かった! pic.twitter.com/HMsMQ4rbMu
時にライバルとカテゴライズされることもある、同じ立場の人との会話の中からは、言うまでもなく、たくさんの学びが得られました。だから、皆さんもぜひ、頭を下げてでも、1度ライバルに会いに行ってみてください。断られたら断られたで、何も気にすることはありませんから。