自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

ファッションとは、上級者になるほど引き算である

僕は、「シャネル」の創業者、ココ・シャネルを尊敬しています。
どうして尊敬しているかというと、誕生日が同じだからです。というのは冗談として、ファッションセンスがゼロなので、彼女のデザインの良し悪しはよくわかりませんが、残してきた言葉にとても深みがあるので、人間的な魅力はもちろん、仕事への情熱も凄まじかったんだろうな、と。そうでなければ、世界的なブランドをつくれるわけもないのですが。ひとりのクリエイターとして、学べることがとても多い。

 

そんなココ・シャネルの言葉をひとつ。

 

「ファッションとは、上級者になるほど引き算である」

 

僕も常々、先輩たちからアドバイスをもらってきましたが、企画書も、文章も、デザインも、映像も、スピーチも、あらゆるクリエイティブな仕事において、初心者ほど「足し算」で考えてしまうもの。

 

だから、表現が複雑になるし、伝わらなくなり、心を動かすことができない。自分の個性も魅力さえも、消えてしまう。そして何よりも、自分自身が楽しくなくなってしまう。ファッションも文章も、とにかく足し算、足し算で考えてしまう人は、いつの間にか窮屈になってしまい、クリエイティブな作業や時間を、楽しめなくなってしまっているような気がします。

 

伝えようとすればすればするほど、自分を表現しようとすればするほど、足し算で考えてしまうものですが、本気で伝えたいなら、引き算で考えることです。

 

あるコピーライターさんがキャッチコピーを考えるとき、「とにかく宣伝する商品の魅力をただひたすらに書きまくって、それから一文一文削っていき、最後に残った一文がキャッチコピーになる。そして、その一文だけのほうが、思いは伝わる」と、そんなことをおっしゃっていましたが、表現の上級者になるほど、何を残すべきかを必死に考えているのだと思います。

 

これは僕も含めてなのですが、うちの会社のメンバーたちは、“引き算”がとても苦手。なので近々、引き算を学ぶ勉強会でも開催しようかな、と。

 

さて最後にもうひとつ、ココ・シャネルの大好きな言葉を書いて終わります。

 

「20歳の顔は自然の贈り物。
 50歳の顔はあなたの功績」

 

50歳まで、あと9年と3ヶ月。
50歳になったとき、尊敬する三浦知良さんのように、いい顔でいたいなぁと思う今日このごろ。そのときの顔が、そう、自分の功績だから。