自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

若者たちが唯一求める、おじさんの「お節介」

「『ニッポン手仕事図鑑』で、インターンを受け入れてくれませんか?」
産業能率大学からそんなオファーがあったのは、2015年の春。最初はインターン生の受け入れって、何をやってあげたらいいの? と迷い、断ろうと思いましたが、自分自身の経験にもなるし、「まあ、難しく考えず、自分が学生時代にやりたかったことを経験させてあげればいいか」と開き直り、受け入れる決断をしました。

 

まあまあ評判もよく、それから毎年インターン生を受け入れているわけですが、その二期生(2016年度のインターン生)として、「ふたりごと文庫」の編集長はやってきました。

 

第一印象は、本当に普通の大学生。
他の大学生と少しだけ違ったのは、うまく言語化できないながらも、「地方の役に立てる仕事がしたい!」という夢を持っていたこと。それからあれこれとあって(手抜きをさせていただきます…)、「もっといい経験をさせてあげたいな」と思い、昨年の5月から「ふたりごと文庫」の編集長を任せることにしました。

 

で、それから1年。
「若い人たちに、何かいい経験をさせてあげたいな~」という、おじさんのお節介でインターン生を受け入れたり、編集長を任せたりしたわけですが、今思うのは、この「おじさんのお節介」は、めちゃくちゃ大事だったということ。

 

学生は、そして若い世代の人たちは、ちょっとしたきっかけを与えてあげることで、“化ける”のです。おじさんの想像を遥かに超えて。

こんなふうに「九州未来フェスティバル」というイベントにパネラーとして呼ばれるようになったり…。


ここ最近のツイートも感心をしながら読んでいたのですが、考え方や発言に深みが出てきたし、言葉の編集力やコミュニケーション力も格段にアップしました。たぶん、うちの会社で今、一番言葉の編集がうまいのは、彼女です(いいのか悪いのか…)。

 

深く考えられるようになり、編集力やコミュニケーション力がつけば、自然と喜んでくれる人も増えていく。彼女のこの1年の活動で、全国に喜んでくれている人がいるのは、その何よりの証拠です。

 

彼女がこんなふうに化けたのは、間違いなく「編集長になる」「メディアを運用する」というきっかけがあったから。

 

学生たちの未来を変えるのは、おじさんの(つまり、ひとつふたつ上の世代の)お節介。
ただ、人生論や仕事論を語るような、うざいお節介はいらないのです。それは本当にいらないので、“化ける”きっかけを与えてあげてほしいし、わたしももっと与えていきたい。
それこそが、若者たちが唯一求める、おじさんのお節介だと思うのです。