自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

「お試し移住」や「現地体験」のツアーに参加した人が、その町を大好きになる理由

今年に入ってから2度、首都圏の大学生たちを地方の町へ連れていき、その町の魅力を発掘するというツアーを開催しました。
1回目は秋田県鹿角市。2回目は山形県上山市。ツアーに参加をした大学生たちは例外なく、その町を好きになりました。

 

その理由が昨日、何となくわかりました。

 

とある心理学の先生が、こんな話をしていました。
「たとえば、サッカーの試合に興味がない人に、『あなたの知らないことを3つ探してください』と言って試合を見せると、サッカーが好きになるのです」

 

これはサッカーだけでなく、人やモノなど、あらゆる対象において言えるのだそうです。
つまり、ツアーに参加した大学生たちも、町に来て「自分が知らない町の魅力」を探しているからこそ(それをミッションとして与えられているからこそ)、自然とその町が好きになっていくわけです。

 

豊かな景色、おいしい食事、温かい町の人…。もちろん、前提として素敵な町でなければ、好きにはなりません。ただ、どの町も(いい意味で)持っている魅力にそんなに差はない。

 

そう、だからこそ「その町を好きになる人を増やす」ためには、ただパンフレットや映像をつくったり、雑誌やテレビで紹介してもらうよりも、「自分たちの町に来て、知らないことを探してください」と、ひとりひとりにお願いしていったほうがいい。プロモーションは「一気に」ではなく、「地道に」やっていくものなのです。急がば回れ。たくさんの人に声をかけるのではなく、ひとりひとりに“語りかける”のです。

 

私がはじめて移住促進PR映像を制作させていただいたのは、秋田県鹿角市でした。
約1週間滞在し、撮影をしながら鹿角の知らないこと、魅力を徹底的に探しているうちに、鹿角が大好きになり、事あるごとに都内で「鹿角の魅力」を語るようになり、今年も何だかんだで毎月鹿角へ行き、少ないながらもお金を使い、ついにはオフィスもつくり、地元の人も雇用させていただきました。

 

鹿角が素敵な町であるのは、間違いありません。
でも、日本には素敵な町がたくさんある。もし他の町へ“先に行っていたら”、その町が大好きになって、その町にオフィスをつくり、毎月行くようになっていたかもしれない。つまり、そういうことです。

 

地方がファンを増やし、町を元気にするためのヒントでした。