「メールというツールはオワコンだ」
「メールでのやりとりは効率が悪い」
そんなことを語る人に、ちょくちょく出くわします。
その考えを否定するつもりはないのですが、気になるのは、その理由です。
理由を聞くと、結構な割合で「わざわざ『いつもお世話になっております』と書くのは、時間の無駄。文章の最後もしっかりと締めないといけないので、時間が本当にもったいない…。文章が長くなる分、相手の時間も奪うことになるし…」という答えが返ってきます。
わからなくもないですし、ビジネス書なんかにもよくそんなことが書かれていますが、私個人の考えを言わせていただくと、「そんなに時間をロスするか?」です。
いや、確かに自分の時間の無駄は少しでも減らしたほうがいいですし、相手の貴重な時間を奪うこともよくありません。だから、その考え方自体は間違っていないと思うのですが、ちょっといじわるに「SNS等でやりとりするのとで、どのくらい自分の時間と相手の時間が無駄になっているものですかね?」と尋ねてみると、ほとんどの方が答えられません。
何が言いたいかというと、無駄があるのは事実かもしれませんが、誰かが言っていたから、思考停止状態で「メールでのやりとりは無駄だ!」と決めつけるのではなく、実際に自分の中で「どのくらい無駄なのか」「どれほどの悪い影響が出ているのか」「何でやりとりするのが、一番効率的なのか。コミュニケーションがうまくいくのか」を考えて、“自分の意見として”「メールというツールはオワコンだ」「メールでのやりとりは効率が悪い」と言えないとダメだということです。
「電話でのやりとりは無駄だ!」と言い切っている人もよく見かけますが、私は「電話」「メール」「SNS」のどれかに絞り込むのではなく、上手く使い分ける(使い分けたい)派です。
正解はありません。
大切なのは、誰かの考えも聞きつつ、自分で考えて、自分の意見として、自分の考えを語ることなのです。
最後にもうひとつ。
「お世話になっております」と書くことを無駄だと考えず、その一文をどう書き換えれば(何を伝えれば)、時間をかける価値があり、相手も読む価値があるのかを考える。そういう思考も、大切だと思います。