放送作家の小山薫堂さんの書籍を読むと、自分のオフィスの近くにあるお弁当屋さんにオリジナル弁当を提案して、商品化してもらった! というエピソードが出てきます。そう、自分が食べたいお弁当を、勝手に商品開発して、自ら持ち込んだのです。小山さんは好きなお弁当が食べられるようになって、お弁当屋さんもあの小山薫堂が…と宣伝になる。遊びながらも、ビジネス的なメリットも生み出してしまう。まさに小山薫堂さんならではのアクションです。
私もそれを真似して、以前の職場の近くのお弁当屋さんに同じような提案をしてみました。個人的に食べたいお弁当を、メニューにしてもらったのです。
まあ、発信力は小山さんの足元にも及ばないので、ただ私が好きな弁当を食べられるようになっただけなのですが…それはさておき、少なくても私の周囲では、その弁当屋さんの注目度は上がり、そして「ああ、こういうのがほしいのね…。じゃ、こういうのは?」と、お弁当屋さんの“気づき”につながって、ビジネスのヒントになったわけです。そのときに実感したのは、「勝手に商品開発」は自分にも相手にもメリットがあるということです。
それからは提案書まではつくらなくても、「あの会社には、こんな商品があったら面白い!」と、日々「勝手に商品開発」をして、バンバン提案するようにしています。「こんな商品、どうですか?」と。手前味噌な話ですが、実際に採用されたサービスもありましたし、実は「ニッポン手仕事図鑑」の原形は、とある企業へ「勝手に商品開発」したものでした。正直、ありがた迷惑な話だ! と思われてしまうかも…という不安もありましたが、ほぼ例外なく喜んでもらえます。
「勝手に商品開発」は自分自身の思考のトレーニングにもなりますし、提案される側は採用に至らなくても、何かのヒントになる。うまくハマれば、双方に大きなプラスになる。プラスにはなっても、マイナスにはならない取り組みなのです。
もしかするとすぐそばに、あなたの「勝手に商品開発」を待っている人がいるかもしれません。