今年は福島、秋田、新潟、岡山、長野、富山と、いわゆる「地方」と呼ばれる場所で撮影をさせていただく機会に恵まれました。
そのときに常に感じていたのは、地方は人と人とのつながりが強いということ。先週末に撮影に行かせていただいた高岡市でも、そんな地元の人たちのつながりの強さを感じる出来事がありました。
私たちは宿泊場所として、「ほんまちの家」という古民家を改装したゲストハウスに宿泊したのですが、ある人が急遽「撮影チームと一緒に食事をしよう!」と号令をかけたところ、次から次へと職人さんや町の人、学生さんたちが集まってきてくれました。富山のおいしい食材やお酒を、本当にたくさん持ってきてくれて…。
そんな突然はじまった宴会で職人さんたちと盛り上がったのですが、職人さんたちの会話を聞いていて、そのつながりの深さを実感しました。ただただ盛り上がっているだけでなく、違うものは違うと言って、褒めるところは素直に褒める。思いっきり笑い合う。でも、本気で意見もぶつけ合う。そう、とにかく本音で語り合える仲間なのです。
そんなシーンを眺めていた私が「こんな仲間がいるなんて、素敵なことですよね」と、ある職人さんに言ったら、こんな言葉が返ってきました。
「嫌いになれない仲間、ですね」
ああ、いい言葉だな、と。
本気でぶつかって嫌な思いをしても、最後の最後は嫌いになれない…。心のどこかで「何か」がつながっている。人としての魅力があるのはもちろん、「地元への愛情」でつながっているところもあると、お話をされていました。
そんな強いつながりを、今年行かせていただいたすべての土地で感じました。そこに、地方と呼ばれる魅力的な場所の、大きな可能性があるのではないでしょうか。