8月にとある方からお誘いを受けて、高岡漆器の体験に行ってきました。そのときにつくった作品がようやく手元に届きました。
1枚の青貝板をひとつずつ専用のキリで切り取り、漆器に1枚1枚丁寧に、お盆に貼り付けていく作業。職人さんの作業を見たことがあり、その難しさは十分にわかっているつもりでしたが、それは大きな間違い…。素材の繊細さや力の入れ加減の難しさなど、やってみたことでわかったことが多すぎるくらいにありました。
この体験を通して改めて思ったのは、「見た(あるいは聞いた)」だけでわかったつもりになってはいけないということ。
「やってみる」ことではじめてわかることはたくさんあります。ただ難しいだけでなく、どう難しいのか。実際に何が大変なのか。それはやってみなければ、リアルに実感できなかったりします。
だから、自分が実際に誰かに頼む仕事でも、1度はやってみる。これは大切。
私は映像制作現場ではディレクターですが、たまに撮影をしてみます。すると、カメラをブラさずに動かすことの難しさや、カメラをずっと持ち続けることの大変さなどがわかる。それがわかると、カメラマンたちへの感謝の気持ちはもちろん、尊敬の気持ちも強くなります。結果、コミュニケーションも変わってくる。
自分の仕事でなくても、「見る」だけでなく、「やってみる」。そうすることで見えてくるものがたくさんあります。
特に職人さんたちは、本当にすごいとしか言いようがない。だから、その技術を残していきたいという思いが強くなります。