「シンプルさとわかりやすさを貫く」
そんな勇気をしっかりと持てるようになってから、少しずつ自分の仕事が認められるようになった気がします。
企画にしても、映像にしても、文章にしても、シンプルでわかりやすいものは、「こんなの、誰でも考えられるよ」「ちょっと普通じゃない?」と言われる怖さがあります。そう言われてしまう怖さに負けて、自分の企画や文章に“無駄な味付け”をしてしまっていた時期がありました。少しでも斬新なものに、少しでも目新しいものに、少しでもかっこいいものに…と。
当たり前ですが、大きな間違いです。
仕事において、斬新さや目新しさが不要だと言っているわけではありません。
斬新さや目新しさといったものが求められる仕事、必要な仕事は数多くあります。ここで話したいのは、シンプルでわかりやすいものが求められているのに、個人の感情で無駄な味付けをしても、誰も(自分自身も!)ハッピーにならないということです。仕事とは、お客さんの課題を解決するのが目的です。無駄な味付けは課題の解決に至らず、すべての人を不幸にします…。
シンプルさとわかりやすさを貫くということは、「ごまかしがきかない勝負をすること」でもあります。つまり、相手に喜んでもらえると自信が持てるまで、しっかりと準備をして、仕事のクオリティを高めようとすることが、シンプルさとわかりやすさを貫くためには不可欠だということです。
小手先のテクニックで“斬新っぽい”企画や文章を提供しようとしていた自分と、「普通だね…」と言われることを恐れず、相手のベストを考えに考え抜き、シンプルでわかりやすい企画や文章を提供しようと努力する自分。どちらの仕事が認められ、信頼されるかは、言うまでもありません。
本気で考えて、小手先のテクニックに逃げず、シンプルさとわかりやすさを貫く。これから「考える仕事」で勝負していく人には、その勇気が今まで以上に重要になるはずです。