「罫線があるノートは、罫線の通りに書こうとしてしまうから、発想が広がらない」
何かでそんなことが書かれているのを読み、罫線があるノートを使わなくなりました。すごく単純です…。
しばらくは無地のノートを使っていた時期もありましたが、ノートはなぜか見返す習慣が身につかないこと、並び替えができないこともあり、今はA4用紙を使っています。打ち合わせでメモを取るときも、企画や映像の構成を考えるときも。A4用紙だとスキャンして、データとして残しやすいというメリットもあります。
ある日の会議でのこと(1~2年前の話です)。A4用紙にメモをとっていると、こんなことを言われました。
「面白いメモのとり方をするんですね。紙のど真ん中から書いていく人を始めてみました」
これは無意識でした…。
ノートをとるように、左上から書いていったりすると、後からそのさらに上や左に追記できないので、いつの間にか「ど真ん中から書き始める」ことが習慣になっていました。ただ、振り返ってみると、そんなことが習慣というか、癖になってきたあたりから、「考える」ことが楽しくなってきたように思います。キレイに書くとか、無駄なく書くといった余計なことを考えずに、「書く」という行為に「力み」がなくなったかもしれません。
「書く」という行為は、「考える」ためには欠かせません。でも、ただ書くだけではダメです。美しく書けばいいというものでもありません。大切なのは、書きたいように書くこと。自分がどんなものに、どのように書くことで思考がクリアになっていくのか、発想が豊かになっていくのかを、改めて考えてみるのも面白いと思います。
私はモレスキンのノートが大好きなのですが、とにかくキレイに書こうと、1文字目から力んでしまうので、今は飾ってあるだけになっています…。
私と同じように、力んでしまうので、裏紙に書くのが一番いいという作家さんもいます。紙ではなく、ホワイトボードがいいというクリエイターもいます。ポストイット一筋という経営者もいます。ひとりひとりに、しっくり来る書き方があるのだと思います。
私は来年もA4用紙で行きます。今、エコな紙を探しているところです。