「わかったようで、わかっていない…」
仕事を進めていく上で(プライベートでも言えることですが…)、これが一番怖いと思っています。
例えば、「ターゲットを決めよう!」というリーダーの号令とともに、会議が始まるなんてことはよくあります。あらゆるシーンでよく耳にするフレーズです。
ただ、その会議では話がまとまらないケースが少なくありません。なぜか? 「何をもって、ターゲットが決まったか」の定義が曖昧なまま、話が進むからです。結局、決まったとは言えない、ぼんやりしたターゲット像のまま話が進むので、あとで方向性がブレたり、何かを決めるときに迷ったり、プロジェクトの精度が下がったりするのです。当然、いい結果も出ません。
よく聞いているポッドキャストで、グロービス経営大学院の荒木博行さんが、このような「コミュニケーションする相手との間で、解釈や認識のズレが生じる言葉」のことを『ビッグワード』と呼んでいました。抽象的な言葉を並べて、何となくわかったような気になるビッグワードは放置しておくと、本当に危険です…。
その他にも「ビジョンを共有する」「社員のやる気を高める」「顧客満足度を上げる」「トーン&マナーを決める」。ほら、何となくわかるようで、具体的になっていない「怖いビッグワード」はたくさん潜んでいます。ビッグワードは使う人も気持ちいいし、耳障りもいい。だから、ついつい多用しがちです…。普段の会話に、無意識に混ぜてしまいます。混ぜすぎると、コミュニケーションしている相手と、解釈や認識がズレていく…。非常に危険です。
「わかったようで、わかっていない言葉」を、できる限り排除する。具体的な言葉で、解釈や認識のズレをなくす。仕事の精度を高めるために、とても大切なことです。
ビッグワードには、気を付けましょう。