企画を考え、クライアントに提案し、それを世に送り出し、
評価を受けているクリエーターさんの多くが、
企画書には「最初のつかみ」が肝心であるということを述べられています。
小山薫堂さんは「かましの一行」と表現されていて、
企画書の一枚目に来る最初の一行の大切さをよく語られています。
「面倒くさいな…」と思いながら企画書を読まれるよりも、
「なんか気になるな…」と思いながら企画書を読まれるほうが、
当然企画に共感してもらえるので、通りやすくなります。
では、どんな「かましの一行」がいいのか。
どうしても「つかみ」であるため、
興味を持ってもらうためにインパクトを重視してしまいがちです。
誰だって、アッと言わせたいですから…。
ただ、インパクトがなければ絶対にダメ、というわけではありません。
先日、とあるオホーツクに位置する地方自治体にある企画の提案をしてきました。
企画としても納得していただき、積極的に予算を取っていただけることになったのですが、
前に進めることができた要因のひとつは、
「かましの一行(そのときは三行でしたが…)」があったからだと思っています。
とはいえ、その「かまし」の一行は、インパクトはありませんでした。
ただただ、そこに参加した人の想いをつなぐ(共有する)ためのシンプルなもの。
でも、重要な役割を果たしてくれたと確信しています。
ここ最近、企画書をオープンする書籍や雑誌の特集を見ます。
確かに学べるポイントもすごく多いのですが、
そこには明かされていないポイントやテクニックも多数あるはずです。
何となく似ているように作っても、心を動かす企画にはなりません。
であれば、企画書の2枚目以降の精度には自信がなくても、
読み手の心を動かす「かましの一行」にこだわってみてほしいと思います。
それは社内の稟議書や提案書でも同じです。
決して、インパクトのある一行ではなくてもいいのです。
「そうそう」と頷いてくれるものであれば。
「読む人を思い浮かべてください。その人が思わず頷く『かまし』の一行は?」