日刊「自分の仕事は、自分でつくる」

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長く愛され続ける仕事には、いつも「早さ」と「丁寧さ」がある

長崎、福岡、佐賀、熊本を巡った1週間の中で、素敵な人はもちろんのこと、たくさんの素敵なお店と出会うことができました。

 

その中でベスト3に入るお店のひとつが、個人商店のお蕎麦屋さん。
観光客が数多く訪れる地域にあるお店なのですが、来ているお客さんを見渡してみると、観光客のような人は見当たらず、地元の人がほとんど。でも、次から次へと地元のお客さんが入ってくる(服装や荷物、車のナンバーで判断しています)。

 

厨房には、50〜60代に見える女性が2名。このふたりが料理も席まで運んでいたので、2名で切り盛りしているお店です。信州生まれの蕎麦好きの僕は、人気の秘密はどこにあるんだろう? と興味を持ち、カウンターに座って、ちょっと観察してみることにしました。

 

結論から書くと、“仕事が丁寧”で、蕎麦が美味しかったというだけの話です。

 

蕎麦は注文が入ってから生地を伸ばしはじめ、切っていくことにも驚いたのですが、天ぷらも注文が入ってから食材に衣をつけて、油も丁寧に温度を測りながら揚げていく。出汁も味がしっかりしていてとても美味しかったのですが、さすがにその味の秘密はわかりませんでした…。ただきっと、他の仕事を見ている限り、丁寧につくっているんだろうなぁと、容易に想像できるくらいの仕事っぷりだったのです。

 

つまり、(ここが本当にすごいのですが…)パパっと適当にやっているようで、ひとつひとつが丁寧。

 

たとえば、乗せるかまぼこ1枚をとってみても、冷たいままでは入れないのです。盛り付ける前に麺を湯切りするザルの中に入れて、少し温めてからその1枚を乗せる。僕はそのひとつひとつの丁寧さに感動しました(他にもあれこれとあるのです)。もちろん、その丁寧な作業が、美味い蕎麦を提供するための大事な手間になっている。最後に念押しをしておきますが、でもパパっとやっていて、仕事が早いのです。

 

お客さんに長く愛され続ける仕事には、いつも「早さ」と「丁寧さ」がある。
蕎麦を食べたあとの僕が、たくさんの人を待たせてしまっている自分を恥じて、その後の仕事が少しだけ丁寧になったのは、そう、ふたりのお母さんのおかげなのです。でも、まだまだ早さと丁寧さが足りないなぁ、と。