岐阜県のとある企業が、地元企業から販売を委託されていた植物用のヒノキのプランター。
それを猫用のベッドとして販売してみたところ、なんと1年で販売数は2000個を超え、一時期は納品まで9ヶ月待ちになったとか。
なぜ、植物用のプランターを、猫用のベッドにしたのか?
そのストーリーはとてもシンプルで、猫好きのスタッフが『猫が入ったら、きっとかわいい!』と提案したことがきっかけだったそうです。では、そのスタッフさんがゼロから「売れる猫用ベッドをつくれ!」とミッションを与えられたら、同じ結果を出せたか? 僕はそのスタッフさんを知らないので失礼なことは言えないし、もしかするとよりヒットする商品を世に送り出した可能性もあるわけですが…おそらく、ここまでのヒットは出せなかったんじゃないかな、と。
僕はこれまで、新規のプロジェクトやサービスを考えては世に送り出してきましたが(恥ずかしながら、大ゴケしたプロジェクトも多々あり…)、その中で自分なりに学んできて、日々の仕事の中で意識するようになったのは、ヒットは「発想」ではなく、「視点」が大事だということ。そう、珍しい素材や今までにないデザインの猫用ベッドをよりも、ヒノキという馴染みのある素材でつくられたプランター型が売れたりするということです。でも多くの人は、ヒット商品やサービスは、発想が何よりも大事だと考えてしまうわけです。
自分が本当にほしいと思った商品やサービスは、(斬新な)発想から生まれたものか?(ちょっとした面白い)視点から生まれたものか? そんなふうに考えながら年末年始の買い物をしてみると面白いかもしれません。