明日、あるプロジェクトのコンペのプレゼンがあります。
企業や自治体のコンペ(プロポーザル)に出るとき、僕らの会社ではほとんどの場合、年長者の僕がプレゼンを担当するのですが、明日はサブに回ります。15分の持ち時間に対して、僕の持ち時間は5分。冒頭からの10分はなんと、明日が初プレゼンの、弊社の最年少クリエイターが担当します。
明日は、どうしても勝ちたいコンペ。
なのになぜ、未経験の彼を?
それはこのプロジェクトにおいて、『もっとも情熱を注げるのが、彼だと確信した』から。そして本人も「ここは自分しかいない!」と、本気で挑んでいる。だから明日は彼を信じて、任せてみようと思いました。正直、負けても後悔しないくらいに、本気で向き合ってくれている。その姿がただただ嬉しかったりもします。
で、つい先ほどの話。
オンラインで明日のプレゼンのリハーサルをしました。
一生懸命準備をしたからこそ、とてもよくまとまっていました。
そう、よくまとまっていた…。
でも…。
そこには『もっとも情熱を注げるのが、彼だと確信した』ときの彼はいなかった。
もちろん、情熱がなくなっていたわけではありません。
絶対に勝ちたいがために、上手くやろう! という思いが強くなり、考えて考えて考え抜いて自分の言葉をまとめた結果、「無難な形」になり、彼の情熱が伝わらない言葉が並ぶプレゼンになってしまった…。
だから、僕は言いました。
「三振したら、どうしよう…」という思いを捨てて、ホームランを狙ってほしい、と。僕では打てないホームランを、君なら打てるかもしれないと思い、バットを託したわけなので、俺がやらなくて、誰がやるんだ! という思いを、全力で伝えてほしい、と。
勝てるプレゼンって、上手なプレゼンでなく、熱が伝わるプレゼン。たとえ三振したとしても、プレゼンで“自分の熱”が伝わったという手応えがあると、この先の彼の未来に生きてくる。だから、僕は彼にホームランを狙ってほしいのです。明日が楽しみです。