「キーマン」「キーパーソン」とは、組織やコミュニティの中で大きな影響を持ち、プロジェクトにおいての重要(=中心)人物のことを指します。
僕は20代の半ばくらいから、実際には“キーマンではない”にもかかわらず、意図的に「キーマンっぽい雰囲気」を醸し出す努力、工夫をするようになりました。なぜ、そんなことをするようになったのか?
前々職の会社に所属していたとき、あることに気づいたのです。
クライアントの担当者が自分に話してくれる話の内容(=密度や重要度)と、そのプロジェクトのキーマンに話す内容では、まったく違うということに。まあ、それは当たり前のことです。でも、あるとき、キーマンと呼ばれるポジションではないにもかかわらず、プロジェクトを推し進めていくうえで重要な情報をつかんでいる人がいることに気づきました。そして、自分なりに分析をしてみた結果、その人が「キーマンっぽい雰囲気」を醸し出していることに気づいたのです。
そう、相手からキーマンのように映るから、「あの人には、“この話”をしておいたほうがいい」ということになる。“この話”とは言うまでもなく、密度が濃く、重要度が高いわけです。
それから僕も真似をして、まだぺーぺーのくせして、キーマンと呼ばれている人を研究して、「キーマンっぽい雰囲気」を醸し出す努力、工夫をしてみました。すると、ポツポツと重要な情報が、自然と自分に落ちてくるようになったのです。当然、その情報を知っているかどうかで、自分の仕事のクオリティはまったく変わるし、結果もついてくるようになる。そう、スキルも大事ですが、情報も大事だということに気がついたのです。
では、「キーマンっぽい雰囲気」を醸し出すためには、どうすればいいか?
ひと言で簡単に説明できるものではありませんが、あえてシンプルに表現するなら、「自信を持って、自分の言葉で、情熱的に語れる人」。
つまり、他人事ではなく、自分事ですべてを考え、動ける人。誰かに強制されて仕事をこなしているのでなく、自主的に積極性を持って動ける人とも言えます。皆さんもそうだと思いますが、大事な情報って、そういう人にしか話したくないものです。
キーマンとただのスタッフでは、入ってくる情報が違う。結果、仕事の面白さも変わってくる。
周囲の人から見て、あなたは「キーマン」に映っていますか? それとも、「ただのスタッフ」に映っていますか?