元“某有名大学”、元“某世界的IT企業”、元“某有名コンサルティングファーム”…などなど。
「元◯◯」の肩書きを語って仕事をしている人は、少なくありません。もちろん、そのキャリアに価値があり、ニーズがあるからこそ語っているわけですが、やっぱり大事なのは、今。「元◯◯」を語ることを、かっこ悪いと否定したりするつもりはありませんが、「元◯◯」よりも、「現◯◯」を語れるようになることのほうが、その何百倍も重要だと考えています。
僕が今、突然会社を辞めて、新しい道に進み、仕事をつくろうとしたとき、残念ながら「元ニッポン手仕事図鑑 編集長」と語ることになると思います。その肩書き自体にそこまでの強さはありませんが、その肩書きがおそらく、一番仕事をつくりやすいから。でも、先ほども書いたように、大切なのは「現◯◯」。だからこそ、現 ニッポン手仕事図鑑 編集長の肩書きを持っている今から、次の「現◯◯」をつくれるように行動をしているのです。
その結果として目指したいのは、「元」も、「現」も必要にならないくらいに、むしろ邪魔になるくらいに、自分の名前で勝負ができる人になること。
僕が尊敬をしていて、『ニッポンものづくりフィルムアワード』の審査員にもなっていただいた松浦弥太郎さん。元「暮しの手帖」編集長の肩書きなんて、まったく必要ありません。松浦弥太郎で勝負ができるし、仕事がつくれる。
突然、自分の中にある一番強い「肩書き」や「看板」を捨てることになってしまったとき、「元◯◯」だけで勝負しないでもいい生き方は何か? 時代も変わり、連休も終わった今、改めて考えてもいいテーマかもしれません。僕ももう少し、考えてみたいと思います。