企業やフリーランスを問わず、ビジネスが行き詰まっていく理由のひとつに、「お金のセンス」があります。
僕が見てきた世界での話ですが、勝負ができるサービス力、商品力、技術力があるのに、最終的に行き詰まってしまい、衰退していった企業やフリーランスの人は、「お金のセンス」が原因になっていることが多いのです…。
お金のセンス?
たとえば、こういうことです。
仕事で「キャベツ」を仕入れなければならないとします。目の前にある市場よりも、5km先にある市場まで車を走らせたら、50円安く仕入れられる。
あなたが部下なら、どちらで買いなさいと指示を出しますか? あなたがフリーランスなら、どちらで買いますか?
答えは、目の前にあるスーパーです。
リッター15kmの燃費の車だったとしても、今はガソリン代が150円を超えているところも多いので、キャベツを50円安く仕入れられても、片道でガソリン代がそれを上回るので、損をします。
じゃ、自転車で行けば?
それは、もっとNGです。
部下の人件費も、自分の人件費も、自転車を漕ぐ往復の時間を考えると、大きな損失です。いや、人件費の損失だけでなく、その時間を使って、何か生産的な仕事をしてもらったほうが、未来の利益にもつながる。その未来の可能性すら、奪うわけです。
「いやいや…、そんな当たり前の話を…わかってますよ」と、読みながら心の中でつぶやいた人もいると思います。
でも、キャベツを仕入れるというシンプルな話だから、そう思えただけかもしれません。目の前に見えている50円を追う企業や人は、驚くほど多かったりします。そう、他のコストや可能性が見えなくなってしまい、その結果、どんどん厳しい状況に置かれていく…。これをパパっと判断できることが、「お金のセンス」の基本だと、僕は考えています。
『「節約」と「ケチ」は、まったくの別ものである』とは、よく言われることです。
それを間違えると、ビジネスはどんどん行き詰まる。だから僕も、これからもっともっと、お金のセンスを磨いていきたいと思っています。