「小学生の頃の“印象に残っている授業”はなんですか?」
今日はそんな質問をいただいたので、ちょっと書いてみたいと思います。
確か社会科の授業だったと思うのですが、あるとき先生がこんなお題を出しました。
「自分が興味のある“モノ”をひとつ見つけて、それをつくっている人や会社にお手紙を書いて、資料を取り寄せてみてください。そして、その資料をしっかりと読み込んで、お父さんやお母さんにも話を聞いて、クラスのみんなにわかりやすく伝わる記事を書いてみましょう!」
そこで僕が選んだのは、父の生まれ故郷の伝統工芸品「西陣織」。
生産者を探して(インターネットがない時代に、どうやってその企業を探したのか…記憶がありません)、お手紙を書いて送ったら、ちゃんとパンフレットとお手紙が届いて、とても感動をした記憶があります。それを読みながら、わからないことは両親にも話を聞いて、雑誌の記事風のレポートにまとめました(このあたりも記憶が曖昧ですが…)。お願いをした資料が届いたことも嬉しかったし、みんなに読んでもらうための記事をつくる作業も面白かった。そう、ニッポン手仕事図鑑の原点と言えるかもしれません。
今、思い返してみて、この授業が素晴らしいなと思うのは、自分が“何の目的で資料請求をしたのか”と、企画の目的を相手に伝えることからはじまり、パンフレットに書いてあることから自分が“重要だと思うポイントを絞り”、クラスメイトがわかるように“噛み砕いて伝える”ことまで学べること。
まさに、情報発信の基本の基本。
先生は子どもたちの将来を考えて、情報発信の基本を教えたかったのだと思います。僕が覚えているのは、そんな素敵な授業です。
子どものためのニッポン手仕事図鑑