20歳くらいのときに、心に決めたことがひとつあります。
「『できない』と思った時点で、負け」
小さな頃から野球ばかりやっていて、まともに勉強もせず、成績も悪かったので、突然「文章を書く仕事に就く!」と宣言した時点で、それはもう、たくさんの人に反対されました。親にも反対されましたし(まあ、苦労をしてほしくないという親心だと思いますが…)、周囲の友だちや先輩、大人たちからも「まあ、やめておいたほうがいいよ…」「無理だよ、きっと…」「そんな夢、叶わないよ…」と言われてきました。
あまりに何度も言われたので、だから思ったのです。
「他人にいろいろと言われて、『できない』と思った時点で、俺の負けなんだ」と。そう、完全に意地になったわけです。でも、それでよかった。
雑誌の「東京カレンダー」の連載を持たせてもらったのは、確か25歳の頃。
この本が書店やコンビニに並び、自分の名前が雑誌に載ったとき、「まあ、やめておいたほうがいいよ…」「無理だよ、きっと…」「そんな夢、叶わないよ…」と言ってきた人たちは一斉に黙りました。
諦めないといけない夢もあるかもしれませんが、諦めるのは、全力で挑戦したあとでいいと思うのです。間違ってはいけないのは、周囲の声で判断をしないこと。その夢が叶うのかどうかなんて、誰にもわからないのです。
だから、どんな仕事や目標を前にしても、まずは自分自身に言い聞かせるのです。
「『できない』と思った時点で、負け」だと。