数日前、作家の保坂和志さんのインタビュー記事を読みました。
いろいろと自分の仕事について考えさせられる記事だったのですが、その中でひとつ、とても面白いエピソードがあったので、ちょっと紹介してみます。
それは、「UFOディレクター」としてもよく知られる、矢追純一さんのお話。
保坂さん曰く「UFO番組をたくさん作ってた矢追ディレクターっているでしょ? あの人、何でUFOって言い出したかというと、都会の人に空を見上げてもらうためなんだって」とのこと。
なるほど。
そして、保坂さんはこう続けました。
会社勤めの3年目くらいのとき、会社を辞めようかどうしようか考えたことがあって、朝まで酒を飲んで、始発で鎌倉へ向かって、駅から海沿いを歩いて実家へ帰ったんです。
そのとき、海を見たら「ま、いいじゃん」って。海や山ってやっぱり、すごいんだよね。相当辛いことがあっても、見れば忘れられる。癒やされるとか、そんな弱いものじゃなくて、吹っ飛ぶ感じ。
海や山が無理でも、空はある。空を見上げるのは、人間が肯定的になることだと思いますね。
ここまで読んでいて思ったのは、なぜ自分は突然、地方に行きたい衝動に駆られるのか? についての答え。
今までまったく自覚はなかったのですが、たぶん、都会に比べて広い空を見上げる機会が増えることで、自分が肯定的になれると“体が”知ってしまっているからです。
新年早々、ちょっとネガティブになってしまっている人も少なからずいると思いますが、そんな人は空を見上げてみてください。そう、できるだけ、広い空を。
ほんの少しかもしれませんが、きっと物事を肯定的に考えらえる自分になれるはずです。やっぱり、プライベートはもちろん、肯定的な精神状態であるほうが、仕事は楽しく、成果も出せるはずですから。
見上げましょう、大きな空を。